「いい焼き芋の日」に考える:デジタル印鑑より手書き印影が選ばれる理由
- 2025/11/13
- 印鑑コラム

「いい焼き芋の日」に考える:デジタル印鑑より手書き印影が選ばれる理由
11月13日は「いい焼き芋の日」
焼き芋って、急いで作るとほんとに美味しくないんですよね。
弱火でじっくり時間をかけて火を通してこそ、あのねっとりした甘みが出てくる。
手間を惜しまずに向き合ったものって、やっぱり味が違う。
実はこれ、印鑑もまったく同じで。
最近は「デジタル印影でポン」「フォントで簡単に作れる印鑑」みたいなものが増えていますが、
そのスピード感の裏側にある“味の薄さ”は、焼き芋の世界とそっくりです。
デジタルで作った印影は、どうしても均一で“温度”がありません。
フォントの形が綺麗なのは当たり前だけど、
そこに書いた人の呼吸や、名前に向けた想いは乗りません。
いっぽう、アナログで手書き文字から作る印鑑は、
一本の線の太さや揺れ、わずかな癖の中に“その人の名前だけに合わせた手仕事”が残る。
これが印影の深みや存在感につながり、
認印・銀行印・実印を押したときに「ちゃんと刻まれた感」が出てくるんです。
焼き芋が急ぐと芯が硬くなってしまうように、
印鑑も“早く作るためにデジタル化したもの”は驚くほど薄い。
急ぎのモノって、味も気持ちもやっぱり薄い。
名前は一生付き合うものなのに、そこをショートカットしてしまうのはもったいない。
特に最近は、ネット通販でフォント印影の印鑑があふれていて、
「手書き印鑑」「手書き文字の印影」と検索しても、
中身はデータを使い回しているだけのショップもあるのが現実です。納期3日ではできません。
だからこそ、誰が手書きした印影なのか、ちゃんと確認することが大事。
アナログの価値が分かる人ほど、最後は西野工房に戻ってきます。
いい焼き芋の日に、
“じっくり作る良さ”をもう一度思い出しながら、
あなたの名前を刻む印鑑も、
同じように丁寧なアナログの作り方を選んでみてください。
焼き芋の甘みがゆっくり引き出されるように、
手書き文字で丁寧に書かれた印影も、押した瞬間に深みが出る。
その違いは、毎日使うほど分かります。
気になったら
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京の印影作家で京印章制作士の井ノ口清一です。
印鑑やハンコのことについて役立つ情報を配信しています。
よろしくお願いします。










