今年の漢字「熊」から考える、字よりも大切な「誰が書いたか」という価値
- 2025/12/12
- 印鑑コラム

12月12日は「漢字の日」。
今年の漢字「熊」から考える、“書く人”の重み
12月12日は「漢字の日」。
毎年この日、京都・清水寺で発表される「今年の漢字」は、年の瀬の風物詩として多くの人に親しまれています。
2025年の漢字は 「熊」。
人と自然の距離、近づきすぎた境界線。
ニュースを振り返ると、この一字にうなずかされる出来事がいくつも思い浮かびます。
清水寺で「今年の漢字」を書く人
その「今年の漢字」を、巨大な和紙に揮毫(きごう)するのが
森 清範(もり せいはん)貫主(かんす)。
※貫主とは、その寺のトップを務める立場で、清水寺の“顔”とも言える存在です。
太い筆で、迷いなく一字を書き切るあの姿。
毎年テレビで目にするたび、思わず背筋が伸びます。
「いい字」は、字そのもの以上のもの
いい字って、ただ形が整っているから美しいわけではありません。
見ている側の心まで、すっと正されるような感覚がある。
それはきっと、
字そのもの以上に「誰が書いたか」
その背景が、自然と伝わってくるからだと思います。
長年の修行、積み重ねた経験、向き合ってきた時間。
それらすべてが、線の一本一本に表れている。
印鑑も、実は同じ
ところが印鑑の世界では、
「手書き文字印鑑なら、どこの店でも同じ」
そう思って選び、あとから後悔する方が本当に多いのが現実です。

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文字は同じ名前でも、
線の運び方、間の取り方、迷いの有無で、
書き手の経験ははっきりと出てしまう。
これは、使う人が一番よく分かる部分でもあります。
名前を預ける道具だからこそ
印鑑は、ただの道具ではありません。
契約や節目の場面で、自分の名前を預ける存在です。
だからこそ、
印材や価格だけでなく、
「誰がその字を書いているのか」
そこまで含めて選んでほしいと、私たちは考えています。
西野オンライン工房では、
京印章制作士・井ノ口が、一点一点、手書きで文字を書いています。
大量生産はできません。
納期も短くはありません。
それでも、線に責任を持てる仕事だけを続けています。
来年は、いったいどんな一字になるのでしょうか
清水寺で書かれる一字に、
私たちはその年の空気や、人の想いを重ねます。
今年の「熊」という漢字が、
数年後、どんな記憶として思い出されるのか。
そんなことを考えながら、
今日もまた、一文字一文字と向き合っています。
西野オンライン工房
手書き文字印鑑・京印章制作士
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京の印影作家で京印章制作士の井ノ口清一です。
印鑑やハンコのことについて役立つ情報を配信しています。
よろしくお願いします。










