印鑑に「双子」はあっていいのか?|双子の日に考える、同じ印影と信頼の話

印鑑に「双子」はあっていいのか?

―12月13日・双子の日に考える、名前と信頼の話―

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12月13日は「双子の日」。

1874年(明治7年)、双子の場合は先に生まれた方を兄・姉とするという太政官指令が出された日です。

双子はよく
「見分けがつかない」
「そっくりでかわいい」
と言われます。

でも―
印鑑に双子があっていいのでしょうか。

印鑑は、本人そのもの

印鑑は、ただの道具ではありません。
契約、口座、人生の節目。
その場面で「この人です」と証明する存在です。

だから印鑑は、
似ていればいいものでも、
便利であればいいものでもない。
本人そのものでなければならないのです。

「同じハンコを作ってほしい」と言われることがある

印鑑店をやっていると、
こんなお願いをされることがあります。

「ハンコを失くしたから、
この通帳と同じ物を作ってください」

通帳や書類を差し出されることもあります。

でも、ここで考えるべきなのは
「できるか」ではありません。

「やっていいか」その一点です。

同じ印鑑を作ることは、
技術の問題ではなく、
信頼と倫理の問題だからです。

あなたが知らない間に起きていること

実は、あなたが知らない間に
同じような印影が生まれてしまっていることもあります。

理由は単純です。

印鑑用のコンピュータフォントは、
実は数社しかありません。
その限られたフォントを、
多くのネットハンコ屋が使っているからです。

つまり――
意図していなくても、
そっくりな印影が生まれる構造になっているのです。

特に篆書体では、
違いが分かりにくくなることも少なくありません。

「安くて早い手書き印鑑」に注意してください

年末から春にかけて、印鑑業界は繁忙期です。
この時期になると、

「安い」
「早い」
「手書き」

そんな言葉が並ぶ印鑑も多く見かけます。

でも正直に言います。

忙しい時期に、
早くて良い印鑑なんて、できません。

数日納期で大量に出てくる
「なんちゃって手書き印鑑」は、
名前の個性よりも効率が優先されています。

名前を預かる仕事だから、複製しない

当店では、同じ印鑑は作りません。

フォントを使わず、
一人分の名前を、
一人分として書く。

それは特別なことではなく、
名前を預かる仕事として、当たり前の姿勢だと考えています。

双子の日に、あらためて思います。

双子はいい。
でも印鑑に双子はあってはならない。

個性にこだわる、手書き文字

複製しない名前のかたち

西野オンライン工房
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