デジタル時代に、なぜ実印が残っているのか。実印が今も残っている理由

その契約、ワンクリックで決めていいですか。

ネットが普及した現代、
デジタル契約は、私たちの生活を確実に便利にしました。

スマートフォン一つで契約が完了し、
書類を郵送する手間も、印刷する必要もありません。
スピードも正確さも、デジタルの恩恵は大きいと思います。

それでも不思議なことに、
実印登録制度は、今も変わらず残っています。

これは「時代遅れだから残っている」のではありません。
簡単には決めてはいけない契約が、今も確かに存在している
その証拠だと、私は考えています。


デジタルで十分な契約と、そうでない契約

日常の同意や、
ちょっとした手続きであれば、
デジタル契約で何の問題もありません。

けれど、

  • 家を買う

  • 会社を立ち上げる

  • 一生を共にする覚悟を決める

こうした契約は、
人生の向きそのものを変えるものです。

だからこそ、
紙に残し、実印を押す
その行為そのものが、
「本当に引き受ける」という確認になるのだと思います。

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簡単でいい契約は、一生を預ける契約じゃない

便利さは、悪ではありません。
ただ、すべてを「簡単」にしていいわけでもない。

簡単でいい契約は、
そもそも一生を預ける契約ではありません。

実印が必要とされる契約には、
あとで取り消せない重さがあります。
その重さを、手を動かして受け止めるために、
印鑑という仕組みが残っているのだと思います。


「早い、安い、最高級の手書き印鑑」という言葉について

最近は
「早い、安い、最高級」
という言葉を見かけることがあります。

正直に言います。
早くて、安くて、最高級なハンコは、できません。

手書き文字印鑑は、
名前を見て、書いて、線を整え、
迷いを消し、バランスを詰めていく仕事です。

そこには、どうしても時間が必要です。
早さを優先すれば、
名前の個性や、線の説得力は失われてしまいます。


名前を預ける道具だからこそ

実印は、ただの事務用品ではありません。
契約の場で、
自分の名前そのものを預ける道具です。

だからこそ、
時間をかける意味がある。

西野オンライン工房では、
今日も手書きで、
一つひとつの名前と、じっくり向き合っています。

早さより、重さを。
便利さより、納得を。

それが、
一生に関わる契約に向き合うときの、
私たちの答えです。

https://e-nisino.com/

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