一般的な印鑑を作成する方法と、当店の印鑑の作成方法の違い
昨今、ネットでの印鑑の価格競争が激しくなっておりますが薄利多売に対応するためにはいかに早く簡単に沢山の印鑑を作るかがカギの様です。 それでは、もっとも最速で印鑑を作成する方法と当店の印鑑の作成方法を比べてみましょう。
今回は 西野さんという銀行印を作成して見ましょう。
印材は本柘の直径15ミリサイズ、書体は印相体を使用します。
一般的な機械彫りや、コンピュータフォントを使用した手仕上げ印の場合
【工程その一】印鑑を押したときに綺麗に写るように印面を平らにします。
これには業界で言うところの面擦り機(約10万円以下)を使用します。
所要時間:機械に印材をセットし所要時間20秒
【工程その二】印影を作成します。
印影作成には専用のソフトを使用します。
これははんこ屋さんが印鑑彫刻機(約100万~200万円)を購入した際、
彫刻機を動かすソフトウェアと印影作成ソフトが
一緒になったものがついてきますのでこれを使用します。
そのソフトウェアを立ち上げます。そしてこれから作成する印鑑の寸法と書体を入力します。
今回は寸法15ミリ、書体は印相体を選択します。
次に彫刻する文字を入力します。
今回は西野と彫刻するのでNISHINOとキーボードで入力すると画面に自動で印相体で西野と表示されます。
何故表示されるかというと、ソフトの中にはあらかじめ印相体のフォントをはじめ、
テンショ体、コイン体、隷書体、楷書体とだいたい印鑑に必要な文字フォントが組み込まれているからです。
これはみなさんが使用される一般のダイナフォントなど同じ感覚です。
では画面に表示されたところで文字を編集します。
編集といっても簡単です。文字を拡大したり縮小したり縦や横に移動したりして調整します。
その後文字の太さを細くしたり太くしたり調整します。
位置がきまれば
今回は印相体ですので文字の線を外枠にくっつけていきます。
これで印影の完成です。
所要時間:ソフトを立ち上げてからわずか2分
【工程その三】彫刻します。
彫刻機に印材をセットしソフトの彫刻ボタンを押すだけ。
あとはその二で作った印影通り自動で機械が彫刻してくれます。
待つこと約15分。
(時間は色々です。プリンターと同じで彫刻の綺麗さ重視、スピード重視などあります。
基本的にはスピード重視ですと彫りが浅くそして彫刻断面が垂直になっています。
所要時間:彫刻ボタンを押してから約15分
【工程その四】最後の仕上げ。
一般的にはよく手彫り仕上げという言葉で使用されています。
その三で彫りあがった印材の印面をみると外側の枠線が微妙にずれていたりしていることがあったり
太かったりします。
これはもともと印材というのが完全な正円ではなく微妙に楕円にずれているため起こります。
これをなおす為、印鑑の外枠を紙やすりや仕上げ刀の端で削ります。
その他にも仕上げるところは沢山ありますが今回はスピード重視ですので
以上です。
所要時間:彫刻ボタンを押してから約30秒
これで印鑑が完成しました。
合計17分20秒です。
そのうち機械の実労働 15分20秒
人間の実労働 2分30秒
早くできました。
ここからがとても大切です。
つまりわたくしがぜひお聞きいただきたいところは
当店の印鑑は『この価格ですが手間ひまかかってます』とお伝えしたかったのです。
当店の工程は
【工程その一】印鑑を押したときに綺麗に写るように印面を平らにします。
面擦り機は使用していません。
とくさという紙を使用し手作業で面擦りしています。
所要時間:機械に印材をセットし所要時間5分
【工程その二】印影を作成します。
テンショ体の辞典『常用漢字印章字林』で文字を調べながら紙に手書きで毎回注文ごとに文字を書いいきます。
印影作成ソフトに付属のフォントを使用すると超簡単に作成できますが
いかにもパソコンのフォントを使用したと言う感じの文字に仕上がります。
その特徴は完全に均一の文字の太さ、左右対称、カーブが直角に曲がる等
特徴があります。偶然にも同じ文字ができてしまう場合もあるかもしれません。
所要時間:約15分から30分
あらかじめ文字が作成されたフォントをしようすると
縦線や横線が直線的。
線が直角にまがりいかにも機械的。
線の太さが完全に均一。
例えば「木」や「吉」のような文字は、完全に左右均等で同じになる。
など色々あります。
上段右と上段中央のように徳川という文字が偶然一緒になってしまう場合もあります。
【工程その三】彫刻します。
この工程はほとんど同じです
彫刻機に印材をセットしソフトの彫刻ボタンを押すだけ。
あとはその二で作った印影通り自動で機械が彫刻してくれます。
待つこと約15分。(時間は色々です。プリンターと同じで彫刻の綺麗さ重視、スピード重視などあります。
基本的にはスピード重視ですと彫りが浅くそして彫刻断面が垂直になっています。)
当店では綺麗さ重視で彫刻いたしております。深く彫り断面も山型になっております。
所要時間:彫刻ボタンを押してから約25分
【工程その四】最後の仕上げ。
一般的にはよく手彫り仕上げという言葉で使用されています。
印刀を使用し彫り残しを直します。
印面の底にあたる部分を印刀でさらえて彫ります。
化粧用に墨を打ちます。
仕上げ刀で内側より枠を均等に細く仕上げます。
文字についてもアウトラインは機械彫りの場合どうしても滑らかでありませんので、
すべて仕上げ刀で整えます。
仕上げ刀で気になる部分の印影を直します。
ネットで手彫りとか手彫り仕上げの表記をよく見かけますが
手仕上げの基準はあいまいで店任せです。
当店ではこの度、全日本印章業組合連合会が公正取引委員会と協議の上、
定められた厳しい彫刻方法の基準 【手彫り彫刻】【手仕上げ彫刻】【機械彫り彫刻】の中で
【手仕上げ彫刻】の基準をすべて満たしております。
所要時間:約10分~60分まで色々。納得いくまでやります。
当店の熱い熱い宣伝でございました。
ありがとうございました。