黒彩樺 (くろさいか) の特徴
◆ 注目が高まる印材
彩樺はアグニと同様に、近年注目度が高まりつつある新しい印材の1つです。エコで安くて丈夫、見た目も華やかで実印としても非の打ちどころがない素晴らしい印鑑素材です。
そこまでエコであることを評価されるのは、彩樺の素材がどのようにして作られているかに理由があります。
彩樺はもともと真樺(まかば)の間伐材を利用して作られており、間伐材に合成樹脂を染み込ませて高圧加熱処理することでできあがります。 間伐材というのは、木が密集しすぎて森林の成長に影響を及ぼす場合に、間引き目的で伐採された木材のことを指します。彩樺はあえてこの間伐材を使用することで材料費を安く抑え、合成樹脂との加工によって安定した品質を手に入れました。
◆ 強度や性質について
本柘のように強度が高く印鑑材料として適した性質を持った木というのは種類が少なく彩樺の原料となる真樺も耐久性があまり高くはありません。しかし、真樺の木は反り返りが少なく加工しやすいという特徴も持っているため、合成樹脂との加工により強度を上げることで、一般的な木が持つ欠点を補った印鑑素材・彩樺へと生まれ変わることができたのです。
圧縮加工によってきめ細かいまっすぐできれいな木目になっています。そのため切り出す部位によって品質や色柄にばらつきが出ることもありません。ひび割れにくく欠けにくい、こまやかな彫刻ができる、安価である、そして明るい色味と美しい木目は男女問わず人気がありますが、女性の実印としても非常にオススメです。
◆ 黒彩樺(くろさいか)の欠点
他の印鑑素材と比べても良いことの方が多いように感じる彩樺ですが、唯一の欠点は知名度の低さでしょう。新素材のため、まだまだ彩樺の名前すら知らない人の方が多いというのが現状です。安価なうえに実印用に選んでも申し分ないほどの印材であるにもかかわらず、知名度が低いことでなかなか選ばれる機会が少ないようです。
人によっては希少性が低いことが欠点だと感じる人もいるようです。象牙や水牛などのような天然素材は希少性が高いことが一種のステータスであり、実印のような重要な印鑑であればあるほどステータスの高い印材を使いたいと思う人が多いのかもしれません。
◆ 黒彩樺(くろさいか)の保管・お手入れ方法
一般的に木製印鑑は乾燥や油分に弱いという特徴を持っています。
印鑑の使用後に朱肉がついたまま放置してしまうと、朱肉に含まれる油分が染み込み印面が脆くなって欠けてしまうこともあります。実印や銀行印が欠けてしまうと彫り直さなければならないため、印鑑の使用後は朱肉をきれいに拭き取ってから専用の印鑑ケースに保管するようにしましょう。彩樺は木材系の印材になりますので、ウェットティッシュで印面を拭いたり、水洗いは絶対にお止め下さい。 脆くなり印面が欠ける原因にもなります。