
ブラジルを漢字にすると、空気が止まる話
「ブラジルの人、聞こえますかーー!」
サバンナ・八木さんのギャグでおなじみの、このフレーズ
一度は耳にしたことがある方も多いと思います
あの軽快で笑える「ブラジル」ですが
これを漢字にした瞬間
なぜか誰も笑わなくなります
伯剌西爾(はくらつせいじ)
いかにも意味がありそうな見た目
しかし――
実は意味はありません
あるのは
音だけ
雰囲気だけ
いわば
知識マウント専用文字
そんな存在です
なぜ外国名を漢字で書いたのか
昔は、今のようにカタカナが一般的ではありませんでした
そのため
外国の地名や国名、人名も
漢字で表記するのが当たり前だった時代があります
ブラジルも例外ではありません
Brasil を
ブ → 伯
ラ → 剌
ジ → 西
ル → 爾
音を無理やり漢字に当てはめた結果が
伯剌西爾
意味はないけれど
当時の日本人なりの知恵と工夫が
そのまま残った表記です
だから、国旗まで入れてハンコにした
ここまできたら
中途半端はやめようということで
・漢字は 伯剌西爾
・さらに ブラジル国旗 も入れる
という
なかなかクセの強いハンコを作りました
すると
決まって、こう聞かれます
「これ…何て読むんですか?」
読み方を説明すると
一瞬だけ
感心されます
しかし
次の一言で
空気が止まります
「……で、なんで作ったんですか?」
答えはひとつ
依頼されたからです😄
※お客様ではないので、見せてもいいやつです
ハンコ屋の仕事は
「意味があるもの」だけを作ることではありません
遊び心
その人だけのストーリー
それを形にするのも、立派な仕事だと思っています
外国人の方へのお土産として
実はこういった
当て字の漢字を使った印鑑
外国人の方への
日本土産として
たまにご注文をいただきます
意味は分からなくても
・漢字の形
・筆の流れ
・ハンコという文化
そのものが
とても面白く映るようです
名前を
その国の音のまま
漢字に置き換える
そこに
正解はありません
でも
「自分のために作られた一つだけのもの」
という体験は
しっかり残ります
そんな
ちょっと不思議で
ちょっと誇らしい印鑑
たまに生まれるのも
この仕事の
好きなところです

京の印影作家で京印章制作士の井ノ口清一です。
印鑑やハンコのことについて役立つ情報を配信しています。
よろしくお願いします。















